YOSHIこと、高田善人です。
Paris 2024オリンピックでの競技会場でのボランティアの様子をレポートします。
会場はエッフェル塔を間近に見上げるChamps de Mars Arenaです。Grand Palaisがオリンピックに向けて改装工事の際にその間の代替施設として建設、その後オリンピック・パラリンピックの競技会場として使われ、パリ2024大会終了後には解体されることが決定しています。オリンピック競技は柔道とレスリングが行われました。
まず、ここで問題発生。活動初日、シフト開始時間・終了時間はわかるものの、シフト開始時にいったい会場内のどこに行ったら良いのか、その情報が一切ありませんでした。問い合わせメールを送っても、同じ会場の同じ役割(EVS)のボランティアメンバーが集まるチャットグループに問い合わせをしても何の返事もありません。
この会場のEvent Services(EVS)は6つのチームで構成されていて、3チームは屋外、3チームは屋内となります。入場前の声掛けから、eチケットのスキャン、入場後のインフォメーションデスク、さらにはトリビューン(観客席)内での席への案内です。
会場内はと言えば、観客がいるというとこがどれだけ選手たちに勇気やエネルギーを送ることができるのか、それをいつも実感していました。できれば、TOKYO 2020の時にもこの熱気、熱量を日本人選手たちに感じて欲しかったと何度も思いました。
会場が割れんばかりの声援、床をドンドンと足踏みをし、声を枯らすほどに応援する観客。それは自国や贔屓の選手だけに注がれるものではありませんでした。例えば、柔道の阿部詩選手が試合をしていると、「詩コール」が会場中に満ち溢れたのです。
アスリートに対するリスペクトがいつも感じられました。笑顔で会場に入り、競技を見ては興奮し、全力で応援し、アドレナリンを放出しっぱなしで会場を後にする観客。それを間近に見て、感じて、送り出しをできるこのEVSという役割はボランティア冥利に尽きるというものです。「これこそが私がボランティアでやりたかったこと!」「感じたかったこと!」それを活動の毎日に感じていました。
ボランティア同士の交流もTOKYO 2020ではあまり体験できなかったことです。しかも、それが国際レベル。Champs de Mars ArenaのEVSは15ヶ国から、18歳から80歳のボランティアがいました。私のようにこの活動の為にフランスにやってきたボランティアも何人かいました。会場では観客、ボランティア問わず、毎日、笑顔が溢れていたのです。
海外ボランティアで一番の懸念は語学だと思います。活動する役割にもよるかとは思いますが、観客案内という役割は、その性質上フランス語使用は必須でした。若干の基礎はあったもののハロボラの「フラ勉」を機会に再勉強し、ブラッシュアップして、フランス教育省の検定試験DELF B2までを取得して、大会に臨みました。
ボランティア同士のコミュニケーションは恐らくは英語がある程度できれば大丈夫だとは思いますが、よりボランティアを楽しむには開催国の言語ができればこの上ない強みになるでしょう。
アスリートとはあまり近い距離で活動することはないのですが、活動の最終日にメダリストと間近に接する機会がありました。前日にレスリングで金メダルに輝いた藤波朱里選手がチームメイトの観戦に来られたのですが、持ち込み禁止のシャンペンのマグナムボトルを会場に持ち込まれて、藤波選手含め関係者一同非常に困っていたのですが、例外的にインフォメーションデスクにて一時的にお預かりすることで問題解決のお手伝いをさせていただきました。
自身のPARIS 2024オリンピックのボランティア活動のエンディングを飾るにふさわしい貢献と思い出ができました。