私のボランティアジャーニーは2002年日韓サッカーワールドカップが始まりです。それまで別の大会や地域での単発の活動に参加した事もありましたが、本格的にボランティア活動の楽しさに目覚めたのは日韓ワールドカップの時でした。
当時はスマホもLINEもZoomもありませんでしたから、ボランティア仲間との繋がりは対面での自主研修や、メールでのやり取りが主でしたが、イチから手作りで構築していく仲間との絆作りは、狭い社会で生活している兼業主婦にとても魅力的でした。その後は毎年行われるマラソン大会や国際テニス大会等のボランティアや、地域での手話コーラスの指導ボランティアなどを続けながら、2007年の世界陸上大阪、2019年のラグビーワールドカップ(RWC2019)を経て、2020東京オリンピックへとつながりました。現在もいろいろなスポーツ大会のボランティアに参加しながら、仕事から繋がった外国にルーツを持つ中学生や様々な問題を抱える中学生の学習指導ボランティアも行っています。
日韓ワールドカップのボランティアが最初のボランティア活動でしたが、参加した理由は単に「友人に誘われたから」でした。当時は、まさか自分自身がここまでボランティアにのめり込むとは思いもしませんでした(笑)
あの頃はボランティアと言う言葉は知っていましたが、実際どんなことをするのか、大会にとってどういう立ち位置なのかということも全く知りませんでした。幸か不幸かわかりませんが、日韓ワールドカップではボランティアの運営に色々と問題があり、私は活動場所でそれらの問題を運営側に提示するリーダー的役割をたまたま担ってしまった事が、次の2007世界陸上大阪で組織委員会とボランティアの間に立つ「ボランティアコーディネーター」として大会の1年半前という長期間にわたって活動することにつながりました。この時のボランティア活動はトータルで約2年半にわたり、自分の仕事とボランティアとしての活動が生活の中で逆転するような感覚に陥ることもありました。
今でもその経験を通して繋がったサッカー協会の方や、長居スタジアムの関係者、大阪府、大阪市の方達とは良い関係を維持しています。
まずは非日常な経験が出来ると言う事でしょうか。ボランティア活動を始めた頃は、私自身中1の娘を筆頭に小5、小2の娘たち3児の子育て真っ最中で、仕事もほぼ毎日夜9時頃まで自宅で働いていたので、本当に狭い社会の中で生きていたと思います。今から考えると、どうやってボランティア活動の時間をやりくりをしてたんやろう?と自分でも不思議です。ボランティアに参加すると活動場所ひとつとっても初めて行く場所だったりします。普段仕事や育児の中では「こんな場所来ないなぁ」と思うことがしばしば。また普通に生活してたら一生出会わないであろうような国の方、職業の方、環境の方と話すこともあります。そのような経験が出来るのはボランティアならではだと思います。
ふたつめは仲間が出来る事です。大会を支えるというひとつの目的の元、同じ方向に向いて活動する仲間はやはり何物にも変え難い存在です。しかもボランティア活動において、ボランティア同士は上下関係も年齢も住んでいる場所も出身も職業も性別も一切関係ありませんし、何のしばりもありません。もちろんある程度の配慮は必要ですが、障害のあるなしも関係ありません。普通ならこんな年齢や職業の方とは友達にはならないという方々と仲間になったりします。私自身、最初のボランティア活動で出会った仲間とは20年以上のお付き合いがあり、今でも色んなボランティア活動で一緒に活動していますが、学生もいればリタイア組もいたりと、みんな職業も年齢もバラバラです。
またそんな仲間と大会を支えるのもボランティアの醍醐味でありやりがいでもあります。日韓ワールドカップの時は、関西国際空港で開会式前よりも前にボランティア活動がスタートしました。その時はこの大会がどれほどの規模なのか知りませんでしたし、肌で感じる事もありませんでした。そして、いよいよ開会式当日を迎え、ボランティア活動を終えたのち自宅のテレビで開会式を観た時、「こんな大きな素晴らしい大会を支えているんだ」と心から感動したものです。そしてそれ以降活動するたびにその感動を味わっています。もちろん東京2020大会でも。
またボランティアをする事で新しい発見も沢山あります。知らなかった外国の文化や行ったことのない街の様子を知ることが出来たり、全く知らなかったスポーツのルールを知ることが出来たり。それまで代表戦しか観なかった私の家族が日韓ワールドカップ以降Jリーグセレッソ大阪のサポーターになったり(笑) それぐらい生活にも大小様々な変化をもたらしてくれます。
すでにボランティアのベテランである方、まだ初心者だよという方、そしてこれからボランティアしてみようかなという方、全ての方々とまずはボランティアの楽しさを共有したいですし、味わっていただきたいと思っています。そのひとつのツールやシェアする場所、コミュニティとしてハロボラを活用してほしいです。
またボランティアのやりがいや魅力をどんどん発信していきたいですね。私自身日韓ワールドカップでボランティア活動を本格的に始め、その次に世界陸上大阪を経験しました。その時に世界の4大スポーツ大会がサッカーワールドカップ、世界陸上、ラグビーワールドカップ、オリンピック・パラリンピックである事を知りました。そしてその4大大会でボランティアをする事が夢となりました。ラッキーにもラグビーワールドカップでも東京オリンピックでもボランティアをする事が出来、私の夢は見事に叶った‥というわけです。そんな個人的なモチベーションからくる、地域の魅力を発信したい、何か人の役に立ちたい、何か楽しいことをしてみたいなどの様々な想いをハロボラをきっかけとして見つけて、そして実現して欲しいです。
またひとつの目標に向かって共に力を合わせて進んでいく素敵な仲間を見つけて欲しいですね。ボランティアなんて暇な人、お金に余裕がある人、リタイアした人がやるもんだという概念を変え、老若男女誰もが気軽にボランティア活動に参加できる‥‥そんな社会や文化を作っていきたいです。